2015/04/19

医者と科学者の違いの喩え話

医者と科学者の違いの説明として、以前どこかでこのような喩え話を聞いたことがある。
「自分の前を歩いていた人に突然矢が刺さり、倒れて死にそうになっている。その目の前の人の命を助けるために矢を抜いたり止血するのが医者であり、飛んできた矢の素材を調べたり矢がどこから飛んできたのかを調べるのが科学者である」

ちょっと極端な表現ではあるが、違いの指摘に関しては的を得ていて分かり易いと思う。
もちろん医者の中にも矢が飛んできた方向を調べる人もいるだろうし、科学者の中にも容態を安定させるための努力をする人もいるだろう。しかし医者および科学者の多くは喩え話のように反応するだろうし、そのための訓練を受けてきたと思う。

どちらも大切で必要な職業だと思う。
医者がいなければ、目の前で矢が刺さって死にかけている大切な人を救うことができない。
科学者がいなければ、次々に飛んでくる矢に刺さった人を救うばかりで、そもそも矢を飛ばしている誰かを潰すための方法や画期的な新規治療法を探る余裕がない。

もし医者になるべきか、科学者になるべきか迷っている人がいたら、自分はどっちの仕事が好きになれそうか考えてみたらいいと思う。

以上、科学者(のはしくれ)であり医学部教員(のはしくれ)である人の意見でした。

P.S. もしこの喩え話の出元をご存知の方がおられたら是非教えて下さい。