2016/01/22

心脳問題を扱ったポパーとエックルスの共著「自我と脳(上)」を読んだ

科学哲学者であるカール・ポパーと、神経生理学者であるジョン・エクルズ(エックルス)の共著である「自我と脳」の上巻を読んだ。
 カール・ポパーは「科学理論は反証可能性を持つべきである」という主張をした有名な哲学者。一方のエックルスはばりばりのノーベル賞受賞神経生理学者で、東大の伊藤正男先生の元ボスでもある。そしてこの本の中心テーマが、ズバリ「心脳問題」。心と脳がどういう関係にあるのかを、この二人がどう議論しているのか、大いに興味がわいて読み始めた。
 上巻はポパーが書いたもの。で、いきなりずっこけてしまった。心脳問題では通常、心と脳の2つの存在がどういう関係にあるのかが議論されていて、未だに決着がついていないのだが、彼はここに、我々人間の思考の中にある、芸術世界や科学世界を「第三の世界」とよんで、なんと

「心と脳の他に、この「第3の世界」もあるから、この3つの関係を調べていかないといけない」

と主張して、そのまま上巻が終わってしまった。。

をいをい。。。
 
いやいやこんなんで終わるわけがない!
下巻はいよいよ神経科学界のドン、エックルスの主張!
乞うご期待!