2018/04/13

客観的意識予測(Objective Consciousness Conjecture: oBJe)を発表

客観的意識予想 (Objective Consciousness Conjecture: oBJe)を記した論文をプレプリントとして発表しました。

A conjecture for objectification of the content of consciousness
Daisuke H. Tanaka and Tsutomu Tanabe
(現在、科学哲学系の雑誌へ投稿中)

りんごの「赤らしさ」や手足の傷の「ヒリヒリした痛み」といった意識の内容(contents of consciousness)は主観的なものであり、客観的には扱えないので、科学で意識の内容を直接扱うことは出来ない、と広く信じられています。

しかしこれは本当でしょうか?

本論文は、「意識の内容は、それを生み出す神経基盤についての4つの条件が揃えば客観化できる」ことを論理的に予想しています。そしてその4つの条件は実験的に反証可能であるため、この予想の正しさは実験的に検証することができます。意識の内容は、直接、客観化できる可能性があるのです。

「意識の内容を客観化するなんて無理。だから仕方なく被験者の言動で判断している」
「意識の内容を、被験者の言動や脳活動で推し量る方法論では満足できない。でも科学的アプローチを諦めたくはない」
「意識の内容の検出は、統合情報量Φで代替出来る。客観化なんかしなくてもいい」

「意識の内容」と「科学的アプローチ」を巡る見解は、研究者により様々あると思いますが、意識の内容と物質的基盤の関係を明らかにしたいという熱意は皆同じかとおもいます。本論文が、そんな熱い皆さんのfood for thoughtになったら嬉しく思います。


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